2013年6月27日木曜日

グローバル化(5年ぶりにこのテーマを取り上げました)


 5年前からグローバル化の諸問題についてブログに書いていましたが,思ったとおり大きな社会問題になってきました.アベノミクスでグローバル化は,後戻りできない道を驀進することになり,それは資本主義が最後の段階で,その終わりに向かって暴走しているように見えます.


 グローバル化という地球規模での経済活動は合理性を求め,製造業など多くの人手を使う業界は人件費の安価な地域に工場を移転しました.かつて日本の経済を支えてきた製造業は,いまや途上国の産業です.iPhoneがよい例で,アメリカのアップル社はiPhoneを造っていません.造っているのは日本,韓国,台湾,中国です.しかもその利益の大半はアメリカのアップル社が独占してしまいます.いまや工場を持っていることで,途上国は先進国の下働きをさせられることになってしまいました.アップル社は工場を所有していません.世界中に50もの工場を所有しているSONYの経営は危機に瀕しています.


 それでは日本はアメリカの下働きの地位にいるのでしょうか.必ずしもそうでは有りません.日本の経済構造は数年の間に大きな変化を遂げています.2年前から日本の貿易は赤字です.あれだけ貿易立国といわれ毎年10兆円もの貿易黒字を上げていた日本は,グローバル化によって,まったくその体質を変えてしまいました.日本の製造業はさらに高度化して,知識産業になりました.現在製造業の拠点となっているアジアの国々は,日本の工作機械と,日本で製造した基幹部品がなければ何も造ることはできません.サムスンもハイアールも,多額の機械部品代と特許料そして配当金を日本に払っています.


 現在の日本は金融大国です.黙っていても年間10兆円以上ものお金がこの国に転がり込んできます.それは投資利益であり,特許料であり,様々な名目で日本にお金が入ってきます.これで日本の経済は支えられています.家電メーカーの現状を見れば過去の栄光は何の意味も持たないことがわかります.目ざといメーカーは,さっさと日本を離れ現地経済と一体化して生き残りを図ったり,製造業の看板を下ろして新規事業へ転換しました.
 グローバル経済では 勝利を得れば大きな利益を得られるが,敗れたなら存続することすら難しくなる二極化の社会のようです.
 



2013年6月24日月曜日

ブログの更新はじめました




 長い間,ブログの更新を休んでいました.いつまでのそのままにするわけにいきませんので,復活します.その間に東日本大震災や,私が最も気にしていたグローバリゼーションの進展など,いろいろなことが起こりました.これらの諸問題も含めて,学生諸君と話し合ったことなど再び書き始めます.

 いままでよりも進化したブログをお届けしたいと考えていますので,とりあえず最近の私的な研究成果『ドラッカーとシュンペーター』ドラッカーの窓から明日を考える研究会編(高陵社書店)について話題にさせていただきます.

 昨年末に淑徳大学で行われたシンポジュウムで発表した内容を出版したもので,私の担当は第2章の「ドラッカーはシュンペーターシュンペーターから何を引き継いだのか」なのですが,アベノミクスなどグローバル化の進展は資本主義社会をどのように変えてしまうのか,この問題について両巨匠の研究成果を踏まえつつ考察してみました.詳しい内容はまた少しづつ書いていきます.