2013年8月30日金曜日

アジアはアメリカの下請け

 2011年以降、日本の貿易収支は赤字になっている。しかし、国際収支そのものは以前と変わらず黒字となっている。その理由は日本の資本投資や特許料の収入が12兆円もあるかである。つまり日本は日本の経済活動による収入だけでなく、他国の経済活動からも大きな利益を得ることができるのである。

 自由放任を前提とするグローバル経済では結局、強いものが勝つのである。アメリカのアップル社製iPhoneのスマートフォンはアジアで作られている。アップルは工場を持っていないので日本、韓国、台湾、で部品が製造され、中国で組み立てられる。しかし一番大きな利益を上げるのはアメリカである。アジアの労働者が製造したスマートフォンでアメリカが大きな利益を受け取るのである。

 同様に日本でも、アジア諸国で作られた日本製品が世界中に輸出され、日本に大きな利益をもたらしている。さながら、日本はアメリカの一次下請けのようである。その意味でアジア諸国は二次下請けといったところであろう。かつてヨーロッパ、アメリカや日本などの先進国は煙突が林立し、世界の工場と言われてきた。しかし、現在では世界の工場と言われる途上国から、工場をもたない先進国が大きな利益を吸い上げているように見える。