知的財産権(知財権)について
人間の幅広い知的創造活動の成果について、その創作者に一定期間の権利保護を与えるようにしたのが知的財産権制度である。かつて知的所有権と呼称されていたが、その所有権に価値があるものであると認められなければ意味がないので、現在は知的財産権と呼ばれている。知的財産権は知的財産基本法によって、特許など独占的に利用できることが保証されている。
知的財産権の種類
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保護対象
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事例
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保護期間
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特許(発明)
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発明や高度なアイデア
物、方法、生産方法
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長寿命の蓄電池など
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出願から20年
医薬品は延長可
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実用新案(考案)
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発明よりレベルの低いもの(無審査)
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日用品の工夫など
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出願から10年
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意匠(デザイン)
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物の形状、斬新なデザインなど
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家電製品の外観など
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登録から20年
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商標(マーク)
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他社との区別として
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ロゴ、キャラクター
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登録から10年(更新)あり
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著作権
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文学、学術、美術、 音楽、プログラム
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書籍、雑誌の文章、
論文など
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創作時から作者死後50年(映画は70年)
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半導体回路配置
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半導体チップの回路配置
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CPUなどの回路配置
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登録から10年
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商号
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社名
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○○株式会社など
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期限なし
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植物の新品種
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育成者権(種苗法)によって保護
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花や樹木の新品種
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登録から25年
樹木は30年
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(不正競争防止)
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類似したデザインなどの使用を差し止める
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ドメイン名の不正取得など
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期限なし
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知的財産権戦略
企業は情報漏洩によって大きな損害を出してきた。日本の営業秘密保護法制はあまり厳しくないので情報漏洩がなくならない。その原因の一つが、工場の閉鎖やリストラによって従業員が他社や他国の企業に雇用された結果、起こることが多い。近年、知財戦略は重要な役割を
・オープン&クローズ戦略
会社のコアの部分はクローズにして、社内だけでやり、そこを収益の源にする。それ以外をオープン領域として途上国などに技術を移転し安い労働力を利用する。
・特許の公開戦略
特許を誰でも使えるようにして国際基準にしてしまう。トヨタの燃料電池技術は世界基準を目指して技術が公開された。
国際特許出願件数
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2014年
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2015年
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2016年
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アメリカ
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61,483
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529,632件
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56,440件
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日本
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42,381
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455,005
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45,220
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中国
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25,548
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1,010,448
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43,128
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ドイツ
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17,983
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14,795
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18,302
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韓国
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13,119
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238,045
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15,554
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日本企業の特許出願件数ランキング
順位
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出願人
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件数
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前年順位
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前年件数
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2017年 特許取得件数
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1位
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三菱電機株式会社
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4358
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3648
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2097 (1位)
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2位
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キヤノン株式会社
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4209
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7670
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1869 (2位)
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3位
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パナソニックIPマネジメント社
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3366
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4392
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1467 (3位)
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4位
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トヨタ自動車株式会社
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3018
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5128
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1331 (5位)
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5位
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株式会社東芝
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2093
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3918
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839 (10位)
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6位
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富士通株式会社
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1911
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2866
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1142 (7位)
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特許庁広報より
先発明主義と先使用主義
先発明主義とは、最初に発明をした発明者に特許権を与える制度。先願主義とは、最初に特許出願を行った者に特許権を与える制度。先進国では先願主義を採る国が大多数であり、最後まで先発明主義をとっていたのは米国であったが、2013年以降アメリカも先願主義を採用することになった.
サブマリン特許
出願された発明のうち、記載された発明技術が普及した時点で特許権が成立するとともに、その存在が公になるものを言う。1987年アメリカ合衆国ハネウェル社が同社の保有するオートフォーカス技術の特許侵害で訴訟を起こし、ミノルタは約1億ドルもの和解金を支払うことになった。
特許庁の役割
特許庁は世界中から特許の出願を受付け、特許権等の独占権を与えるかどうか判断している。また、審査結果に不服があった場合、地方裁判所に代わって民事訴訟法に準じた審理が行われます。さらに国際的な特許にかかわる取り決めについて交渉を行っている。
知的財産権についての課題
・グローバル化への対応・・・特許協力条約(PCT)意匠については未加入
・知財の複合的保護の模索
・先進国の特許出願件数が低下している(日本は2001年から下降、近年微増)
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