2019年1月14日月曜日

環境問題


 

 
    人類にとって環境問題は古くから大きな問題であり、気候や自然現象、地理や地形などの知識に頼って、定住する土地を決めていた。それでも環境の変化によって、都市が丸ごと廃棄され、自分たちで居住地の環境を破壊した結果、住むことができなくなったところもあったようである。昔のパリの街に限らず、どこの都市でもごみや糞尿の処理が間に合わず、伝染病や悪臭に悩まされていたようでもある。

 現代社会でも先進諸国はそこまで酷くないものの、大気汚染、水質汚染など、次々と突きつけられる様々な環境問題に直面しているのが事実である。社会・経済活動の拡大や人口の増加は、地球環境問題を深刻にしている。人類が放出した二酸化炭素は地球の温暖化をもたらし、温暖化の原因といわれ、結果としてオゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化、熱帯雨林の減少、動植物の絶滅や、絶滅危惧種の増大をもたらしている。さらに大気汚染、騒音問題、水質汚濁やプラスチックなどの生活から排出されるごみ問題など都市・生活型の環境破壊も解決されていない。環境破壊の結果、気温上昇 海面上昇 エルニーニョ ラニーニャ現象、  ヒートアイランド、干ばつ、竜巻、台風、スモッグ、赤潮、生態系破壊、などについても解決の道を見つけられていない。

 環境問題については先進国と途上国の認識に大きな乖離があって、環境を汚染する物質の排出基準についても途上国側は現在の地球環境の破壊を行ったのは先進国側で、途上国には責任がないとの立場で厳しい規制に反対している。199712月に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議で採択された、京都議定書は、2008年から2012年までの期間中に、先進国全体の温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて少なくとも 5%削減することを目的と定めた。日本もマイナス6%の削減を約束したが、結果としては実現できなかった。2015年にパリで開催された会議ではそのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と森林などによる吸収量のバランスをとることを決めた。7しかし2017年にアメリカのトランプ大統領は、このパリ協定からの脱退を宣言した。

 現在人類は環境に対して、まったく無知な人は少ないと思われるが、環境よりも経済発展に重きを置く経済中心主義的価値観をもつ国や人々がいる反面、それでも地球の環境を守ろうと考える人々は多く、その対策も多岐にわたっている。極端な環境悲観主義的価値観を持つ人々は人類の生活を根本から見直し、地球環境に負荷をかけない生き方を模索し、環境保全的価値観を持つ人々は破壊と再生のバランスを考えている。20183月に亡くなったホーキング博士は20177月、英国放送協会(BBC)のインタビューで、このまま人類が二酸化炭素(CO2)を排出し続けるなら「気温250℃、硫酸が降り注ぐ、金星のような高温の惑星へと地球を追いやるだろう」と警告している。そして人類に残された時間は100年で、それまでに地球以外の惑星を植民地にするよう提言している。つまり私たちは地球を使い捨てにしようとしているのである。

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