組織管理とは何か
組織研究を最初に始めたのはM・ウェーバである。ウェーバは最良な組織形態
を官僚組織に求め、非人格的で無機質な形態こそ優れていると考えていた。
近代企業の成立によって組織の重要性が認識され、より効率的な組織のあり方
が求められるようになると、組織は個人と集団の関わり合いの中で機能することが
わかってきた。そのため組織を維持、管理し統率する場合、組織の目的や価値観など
文化的な要素や人間の行動様式についても研究されるようになり、より総合的な
学問分野に拡がってきた。
P.Fドラッカーの理論では、組織とは人間が持っている能力を発揮して、目的を達成するための手段と捉え、それを効率的に実現するためにはマネジメントが必要であると述べている。前半の講義ではドラッカーの視点に立って組織とは何か、そして組織と人間の関係について考察する。さらに後半ではグローバル化によって変わりつつある日本の組織について検討する。
組織管理とは
人が集まれば組織ができる。その組織をどのように維持、統率するのか研究するのが組織管理学である。 組織にはその目的によって、いくつか種類があり特に大震災後、非営利組織に対して注目が集まっている。
国家組織 組織
行政組織 非政府組織
企業組織 クラブ・サークル組織
組織の目的
組織にはそれぞれの目的がある
目的達成のために最良の組織を構築する
ドラッカー・・・・組織は目的を達成するための手段
目的を達成するためにはマネジメントが必要
社会貢献
組織は社会のためになるものでなければならない。
組織の目的は、組織の構成員に共有されなければならない。
ドラッカー・・・組織は社会貢献を目的としなければならない
集権管理組織
ライン組織 ラインスタッフ組織
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ピラミッド型(軍隊型)
改良型(トップにスタッフがつく)
短所
トップの負担過剰
専門家の知識を活用しにくい
階層が多くなるとコミュニケーションの効率が低下
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長所
職務の範囲、内容が明確
指示命令系統が明確
各職位の責任・権限が明確
組織間の秩序を維持しやすい
ライン組織・ラインスタッフ組織は、最上位(社長)から最下位(社員)まで指示命令系統が1つのラインで結ばれる。組織メンバーは直属の上司からのみ命令され、1人の上司と複数の部下で構成される。
職能別組織
職能別組織の特徴は、誰がどのような仕事をするのか役割分担を明確にでき、従業員の専門性を高めることが出来る。一方、組織間の連携が難しく組織全体の利益より、部門の利益を優先してしまうデメリットもある。
分権管理組織
事業部制組織
事業部制は、事業運営に関する責任・権限を本社部門が事業部に委譲することで本社部門の経営負担を軽減するとともに、各事業の状況に応じた的確で迅速な意思決定を促進しようと考え組織された。1920年代にアメリカで考え出されたこの組織は、現在でも世界の多くの大企業で採用され、日本でも1960年代以降、多くの企業がこの形態である。
トップの経営負担を軽減するとともに、各事業の状況に応じた的確で迅速な意思決定を促進しようと考え組織された。1920年代にアメリカで考え出されたこの組織は、現在でも世界の多くの大企業で採用され、日本でも1960年代以降、多くの企業がこの形態である。
事業部制組織(分権管理)のメリット
1 権限委譲により、市場の変化を的確に踏まえた迅速な意思決定が期待できる。
2 事業部ごとに損益計算書を作成するため、事業別の利益責任が明確になり、業績向上に向けたインセンティブが働きやすい。
3 本社部門の事業運営に関する負担が軽減され、本社部門がより全社的、戦略的な事項に集中できる。
4 事業部長に経営者としての経験を積ませることができる。
事業部制のデメリット
1 各事業部が経営機能を重複して持つため、経営資源面の無駄が生じる。
2 組織の壁により、事業部をまたがる新商品、新サービスが生まれにくくなる。
プロジェクト組織
プロジェクトチーム組織
常態の組織を持たず、案件毎にチームを組成する組織。経営コンサルティング会社や投資銀行など顧客案件毎に変化に富んだ非定型のビジネスにおいてみられる。ヒエラルキー型組織、マトリクス型組織において作られる組織横断的なプロジェクトチームもこの一例。最近では小惑星探査機である「はやぶさ」のプロジェクトチームなどが注目を集めた。こうしたプロジェクトを管理する「プロジェクト・マネジャー」の人的資源開発も急を要する課題である。
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