2019年5月6日月曜日

経営者支配論


経営者支配

所有と経営の分離
従来多くの企業で株主経営者が支配的であった。企業の経営者と株主(所有者)を分離することにより優秀な経営陣による合理的な企業成長の促進と経営陣の独走・暴走のチェック&ストップを両立させることが可能になる。専門経営者により企業が経営され、株主が経営者を監視することで企業経営の透明性を維持ことができる。

経営者支配論
バーリ・ミーンズは「大企業はもはや株主=会社所有者によって支配されているのではなく、所有者ではない経営者によって支配されている」という主張を、アメリカ大企業200社の実証研究に基づいて行った。また、「所有者支配から経営者支配へ」という現象に伴う「支配の正当性(新しい支配者、経営者は正当な支配者か)」という支配の正当性論議に触れ、その原因として、経営者支配は、企業規模の大規模化によって発行株式の増大が株式所有の分散化・流動化をもたらした結果、株主は支配力を失い、代わって経営者が支配力を持つようになったといわれて
いる。

経営者支配論の意味
「所有と経営が分離されアメリカの企業組織はたいへん民主的な組織です」と言いたいのであろう。この問題が議論されたのはアメリカとソビエトが冷戦を繰り広げている最中であった。アメリカはソビエトの全体主義的な独裁国家と非難し、ソビエトはアメリカを資本家が支配する格差社会と非難していた。その非難に対してアメリカ側の回答が、所有と経営の分離であった。つまりアメリカでは経営者といえどもサラリーマンである。労働者といえども株主であるといいたいのであろう。

日本の経営者
現在4128215そのうち社法人企業は約170万社で、個人事業主は約242万社。問題は個人事業主の三分の二ほどの企業で後継者がいないことである。その理由は、経営者の子息が親の経営する会社を継ぐことを嫌っているためである。

なぜ後継者になりたくないのか
・親の仕事に魅力がない
・親と一緒に働きたくない
長い停滞期に仕事の大変さを見ていた
・うまく経営しても親の評価上がるだけ
・自分の独自性を発揮することができない
・自分にはやりたいことがある

会社の解散、売却が増えている
2016年、日本国内で他企業に売却された企業は1816件(36千億円)であった。後継者がいない場合、社員が会社の将来に不安を抱くことになる。できるだけ大手の安定した会社に自社を高値で売却することで経営者も従業員も安心することができる。今後、会社の買収・合併(M&A)が増えることになる。


課題
日本には経営者の養成機関が少ない
経営者の育て方がわからない
後継者育成を考えなければいけない
会社経営をもっと魅力的なものにする

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