2009年4月20日月曜日

マネーゲームを始めた人たち

マネービバレッジ

 サブプライムローンの破綻に関しては金融工学の発展によるマネーゲームのような経済理論も無視できない。以前から不良債権を優良債権の中に混ぜて、ひとつの金融商品として販売することは行われていた。不良債権を全体の中で処理していくことで金融会社の負担を減らし、みんなでこれを負担する方法は悪いことではない。
かつて、ジャンク債と呼ばれる債権を使って企業を買収する手法が行われていた。ジャンクポンドとはクズの株券を集め、これを担保に大量の資金を引き出し、その資金で企業を買収し、買収によって株価の引き上げを狙ったり、あるいはこの買収した企業を解体整理して売却することで利益をあげたりした。

近年、わずかな資金を元手に大きな資金を引き出す方法が開発され、その引き出した資金を担保にさらに大きな資金を集めるための方法も考え出された。もともとサブプライムローンも本来住宅をもてない低所得者に資金を貸し付け、住宅を持たせるものである。景気がよく、土地や住宅価格が上昇している間は返済可能だが、一度不況で土地や住宅の価格の下落が始まるとたちまち不良債権になる

多くの日本人は、ものを買うときにお金を貯めてから買うか、あるいは高価なものの場合ローンを組んで物を買う。ところがこうした当たり前と思われていたことが今の世界では当たり前ではなくなってしまった。実態のないものに付加価値を付けて将来の利益を見込んで投資が行われている。バブル経済のときにライブドアをはじめ多くの新経済人たちが少ない資金を数倍に増やす方法を見つけ実行した。堀江氏は自分の会社の株を分割して売却することで株価が上昇することを発見し、自社株を小さく分割した。そうすると今までライブドアの株は株数が増え、購入層が広がり株価を引き上げた。ライブドアのように実態以上に株価を吊り上げて多額の資金を手にした企業は、次々と企業買収を始めた。こうしてこの会社はさらに株価が上昇するようになった。

村上ファンドの村上氏は記者会見で「金をもうけることは悪いことですか」と居直った。こうしたことが国際的な規模で日本マネー、中国マネー、中東マネーを利用して行われていたのである。そしてこのゲームが行き着くところまで行って破綻した。これから今までのバブルを全て消して借金を返済して再スタートしなければならない。

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