意思決定論
経営管理総論B
意思決定とは
組織において目標達成のために、いくつかの対応策の中から最善の策を決めること。
意思決定に必要なこと
意思決定において重要なことは意見の不一致が存在しないときに決定を行なわないことである A.P.スローン 全員一致の意思決定は危険
意思決定の手順
仮説を立てる⇒ 意見を持つ⇒ 異なる意見を知る⇒ 事実の検証⇒ 意思決定
多くの場合仮説は外れることが多い
意思決定は素早く決めなければならない 仮説を検証しつつ正しい意思決定を行う
ベテラン社員と新人社員には考え方の違いがある 仮説の検証過程は共有すべき
論理的議論が必要
感情論ではなく、理論的な議論が必要 事実に基づいたデータが必要
自分の意見と合わない現実から目をそらす傾向がある
H.A.サイモン『経営行動』
H.A.サイモンは経営組織における意思決定過程の研究で1978年ノーベル経済学賞を受賞した 意思決定は合理的ではありえない 理屈では説明できない要素が必ず含まれる
限られた合理性
即断即決型経営者
大山健太郎氏 アイリスオーヤマ前社長
吉越浩一郎氏 トリンプ元社長
アイリスオーヤマの意思決定
1958年に町工場から、現在1万5千種類以上の製品を扱い、国内外合わせて23の工場拠点を持つ企業グループに成長 年間約千点の新商品は、毎週新商品企画会議で60件超。そのすべてを大山氏はわずかな時間で吟味し、判断を下す。 経営目標 2022年に1兆円
大山健太郎氏
即断即決のための工夫 経営幹部と情報の共有(スケジュールなど)
社員の仕事内容やアイディア等デイリーレポート 短時間で意思決定する訓練(顧客目線)
同族企業の意思決定
ワンマン経営 経営者所有企業(大株主) 会社のすべてについて知りたい
今年、長男に社長を禅譲
トリンプの意思決定
吉越浩一郎氏 トリンプ・インターナショナル・ジャパン代表取締役社長
『2分以内で仕事は決断しなさい』
早朝会議(8時30分から) 社員は企画を2分で社長にアピール。その場で決定する。
残業ゼロ
吉越浩一郎氏
即断即決のための工夫
ファイルは仕事の種類ではなくデッドラインで分ける
(いつまでにやらなければならない仕事なのか)
赤字の店舗は容赦なく閉店(原則を決めておく)
会議も仕事もスピードが大事(スピードに慣れる)
論理的思考はOJTで訓練する(日本人には最適)
慎重型意思決定
ガバナンス・行政型経営者
ステイクホルダー(株主-従業員-消費者-関連企業等)との合意を取り付ける
天下りの社外取締役
意思決定の品質
意思決定は企業の利益だけを考えてはいけない 正しい決定を行っているのか
大企業には大きな社会的責任がある
コーポレートガバナンスの必要性
魅力ある職場造り 常に正しい意思決定 ステーク・ホルダー間の利害調整
Accountability(説明責任)とSocial responsibility(社会的責任)
コーポレートガバナンスの基準はコンプライアンス(法令順守)
シャープの経営
鴻海の経営者「シャープにはガバナンスがなかった」
なぜシャープは鴻海に買収されたのか
経営者の意思決定の誤り「市場の変化に対応できなかった」
シャープの復活
2016年に鴻海に買収されたシャープは2559億円の赤字
経費節減とスピード 能力主義の採用 中国市場進出
現在シャープは売上高前年比22%高、1兆8000億円 営業利益は4倍の700億円
求められる意思決定の訓練
従来意思決定はトップマネジメントに独占されていた
彼らは意思決定のための訓練を受けていなかった
現在若い社員に意思決定の訓練が必要である
若い社員は自社の意思決定に注目すべきである
まとめ
意思決定は検証・可視化できなければならない
意思決定は仮説を立て検証しながら進める
意思決定は異なる意見を知らなければならない
意思決定はデータが必要
意思決定は素早く、修正しながら進める
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