2018年11月20日火曜日

NPOについて


NPOの役割

NPOは単なる非営利組織としての存在というより、機能が衰えた現代資本主義の救世主となるかもしれない新しい組織と考えてよい。高度に発達した資本主義は、社会に大きな格差を生じさせ、その矛盾は益々拡大し民主主義は後退してしまったように思われる。
 株式会社制度は、本来なら民主主義の精神によって社会の発展に尽くす役割を持っていたはずなのに、良心を失った集金システムによって、利益や配当にしか興味を示さなくなってしまった。株式会社制度は利益が出ない仕事はやらないと決めてしまったようである。
 一方、NPOは、そこに仕事があるならば、どこへでも行くし、どのような仕事にも対応することができる。利益など考える必要がないからである。その意味でNPOは株式会社システムよりはるかに優れている。P.F.ドラッカーはNPOをポスト資本主義における重要な役割を果たす組織と考えていた。もちろんそのためには現在のNPOは制限が多く、改革の必要性はある。

NPOとは何か
 

NPO(NonProfit Organization)」とは、ボランティア活動などの社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体の総称で、このうち「NPO法人」とは、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき法人格を取得した「特定非営利活動法人」の一般的な総称。

Ⅰ NPO法人の設立
[ 活動目的に関すること ]
(1)特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること(法第2条第2項)。
 特定非営利活動とは、次に掲げる17項目に該当する活動であって、かつ、不特定かつ多数の利益(*)の増進に寄与することを目的とする活動です。

1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2. 社会教育の推進を図る活動
3. まちづくりの推進を図る活動
4. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
5. 環境の保全を図る活動
6. 災害救援活動
7. 地域安全活動
8. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
9. 国際協力の活動
10. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
11. 子どもの健全育成を図る活動
12. 情報化社会の発展を図る活動
13. 科学技術の振興を図る活動
14. 経済活動の活性化を図る活動
15. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
16. 消費者の保護を図る活動
17. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
 
*    不特定かつ多数の利益とは
社会全体の利益を意味するものであり、特定の個人や団体の利益(私益)を目的とするものでないことはもとより、構成員相互の利益(共益)を目的とする活動ではないことをいいます。いわゆる「公益」という法律用語と同義のものです。

(2)営利を目的としないこと(法第2条第2項第1号)。
  活動により得た収益を構成員(理事や社員)に分配することはできません。次年度の活動のために繰り越すことになります。また、財産を構成員に還元することはできず、法人を解散する際の残余財産の帰属先は、国・地方公共団体又は定款で定める特定非営利活動法人・社団法人などに限定されています。
なお、法人は、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、特定非営利活動以外の事業(以下「その他の事業」という。)を行うことができます。その他の事業で収益を生じた場合は、その収益を特定非営利活動事業のために使用しなければなりません。また、その他の事業に関する会計を特定非営利活動に係る会計から区分しなければなりません。

Ⅱ 設立の手続
法人を設立するためには、法に定められた書類を添付した申請書を、所轄庁に提出し、設立の認証を受けることが必要です。
ここで認証が受けられれば法務局で設立登記を行い、NPO法人が誕生します。

 所轄庁とは(法第9条)
 法人の所轄庁は、その団体の事務所の所在地によって決まります。
 群馬県内のみに事務所を設置する団体は、活動場所が群馬県外や海外であっても、群馬県知事に設立認証申請を行うことになります。

Ⅲ NPO法人についての誤解
1 「特定非営利活動」は、必ずしも非課税ではありません。
NPO法人の主たる活動である「特定非営利活動」は、必ずしも法人税法上の非収益事業にあたるわけではありません。

NPO法人の行う事業と法人税法上の収益事業
 
1 特定非営利活動促進法により設立されたNPO法人の取扱い
(1) NPO法人は、法人税法上の公益法人等とみなされ(特定非営利活動促進法第46条第1項)、収益事業を行う場合には法人税の申告を要します。
(2) NPO法人の法人税の適用税率は普通法人と同じです(特定非営利活動促進法第46条第1項、法人税法第66条)。
(3) NPO法人が、その収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額については、その収益事業に係る寄附金の額とみなされません(特定非営利活動促進法第46条第1項、法人税法第37条第5項)
(4) NPO法人は、小規模な法人(当該事業年度の収入金額の合計額が8,000万円以下の法人をいいます。)に該当するものを除き、当該事業年度の収支計算書の提出を要します(特定非営利活動促進法第46条第1項、租税特別措置法第68条の6、租税特別措置法施行令第39条の37)


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