2019年4月15日月曜日

経営管理とは


 経営管理とは、組織においてその組織を運営するために、創られた組織の支配者が組織を維持運営するための、あらゆる手段のこと。基本的には、ピラミッド型の権力構造を持ち、支配権を持ったトップが権力を行使して、部下を指揮・命令して仕事をさせてきた。近代資本主義が成立した時から今日まで上司が部下を支配する形態は変わっていない。
 
 日本の企業経営にはいくつかの問題が存在している。それは少子化による人手不足、生産性の低さ、途上国の追い上げ、経済の停滞、グローバル化への対応、そして働き方改革などである。これらの諸問題を解決するためにも、日本の企業は急いでAIの導入を行わなければ日本企業の将来は悲惨なものとなる。AIを導入するということは、経営管理を機械化しようということで、20年ほど前、情報化の過程で、すでに多くの管理職社員を削減した企業にとって、さらに管理職を減少させるということである。管理職になることを目指して働いていた若い社員に、管理職の目はないことを知らしめることになるが、それによる労働意欲の減少については不確定である。若い労働者は、これから機械の指示によって働くようになるのであろうか。この問題は日本だけの問題ではなく、AI化を推進するあらゆる国家において散見される問題である。
 このような時代を背景に、最近ホラクラシーやティール組織といった管理しない企業組織が話題となっている。これらの組織が一時的な流行で終わるのか、あるいはAIを導入するための詭弁なのか、それとも本格的に経営管理が人の手から離れていくのか定かではないが、こうした組織について注目しておく必用がある。

ティール組織
 ティール組織とは、近年生まれた新しい企業組織で創設者のフレデリック・ラルーによると今まで権力による支配、規律による支配、コミュニティー型組織と進化してきた管理の方法から、①セルフマネジメント、②全体性、③存在目的、といった特徴を持つ組織のことである。この組織の特徴は人を管理しないことで、組織の目標を共有し、それぞれがその役割に応じた意思決定権が与えられているので、上司の判断を求める必要がない。つまり、人を管理せず、役割はあるが役職はなく、自由度が高くルールが少なく、情報はすべてオープンになっている組織である。
 この組織は近年、欧米各国で運営されていて、大きな話題になっている。アメリカや日本ではホラクラシーというティール組織が運営されていて、代表的な企業としてはダイアモンドメディア社、ソニックガーデン社、アトラエ社などが知られている。いずれも話題性に富み、社員がストレスから解放されなれると仕事が面白いということである。
 この組織の欠点としては情報の漏洩が起こり、これをどのように対応すればよいのか模索されている。このような企業が現れる背景には、現在の企業組織の硬直化があって、若い社員とベテラン社員の間で働くことに対する考え方の違いなどが存在することにある。

 事例)
ダイアモンドメディア社
・みんなの給料はみんなで決める
・起業・副業の勧め
・肩書は自分で決める
・雇う雇われるの概念がない
・上司・部下の概念がない
・メンバーの社内外ボーダレス化
・経費の精算は個人の裁量
・財務情報は全部オープン
・働く時間・場所・休みは自分で決める
・代表・役員は選挙と合議で決める
・明文化された理念がない
・採用する前に仕事をする


 


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