2019年12月9日月曜日

メンタルヘルスマネジメント

 1998年バブルの崩壊後、不況が本格化すると日本人の自殺者は急速に増加し、年間3万人にも達し社会問題になった。それ以後2014年まで年間3万人以上の自殺者数は減少することはなかった。しかし、2015年以降、景気が回復してくると自殺者数は減少しはじめた。経済の停滞が、働く労働者に直接大きな負担となっている日本の現状については、見過ごすことができない大きな問題である。日本の自殺率が、労働者の責任とは無関係な、景気の動向に関わっているという事実は問題にしなければならない。さらに問題なのは日本の場合、若年層の自殺が世界で最も高いという事実である。
  ブラック企業といわれる労働者に過剰な責任を押し付ける企業についても同様である。企業で働く労働者がストレスを抱えているにも関わらず、彼らの精神的な負担は理解されにくく、こうした問題も自殺者数の増加と無縁ではない。ブラック企業の存在は、働く労働者だけではなく、学生のアルバイトにおいても深刻な問題を投げかけており、日本では労働者のストレスによる精神障害は労災として認定されにくく、ストレスによる休職者の半数が職場復帰できないほど深刻な状況で、職場においてストレスによる精神障害はいまだにしっかりと理解されていない。OECDは、日本はうつ病関連自殺により25.4億ドルの経済的損失をまねいていると推定している。


ストレスマネジメントとは
ストレスによって心身に悪影響を及ぼさないよう、対策を行うこと.ストレス状態が続くと、心身に何らかの症状が生じたり、生活に支障をきた
す。そのため、一定度合いを超えないよう適切な対処法を取ることでストレスを軽減し、上手に付き合っていくために行う対策のこと。


 ストレスチェック制度は、201512月から導入され、50人以上の従業員がいる職場で実施が義務化されている。その結果、321の企業・団体、合計72,311人分の集団分析データをもとに[ストレス要因]業種別ランキングが発表された。その結果、「建設」「卸売・小売」「金融」で仕事の負担感が高く、「郵便等」「公務」で低いことが判明し、職種によってストレスの多少があることが明らかになった。

 結果をチェックして終わりではなく、結果を活かせる環境づくりが必用で、毎年その人の状態を継続的にフォローしていくことが大切。


ストレスチェックの結果、だれがストレスを与えているのかという、犯人探しが行われる場合がある。このような職場ではストレスチェックが機能しない。すく場の人間関係は重要で、優秀な社員の健全な育成は企業の業績に大きな影響を及ぼす。



 やりがい搾取という用語が話題になったのは10年ほど前のことで、大志を抱く若者に、夢の実現を叶えるような仕事を与え、過剰に働かせるというものである。若くして思いもかけず店長やリーダーに抜擢され、あるいは自分が最もやりたかった仕事を与えることで、彼らは喜んで一生懸命に仕事に励むことになる。彼らはやがて、低賃金で長時間労働させられていたことに気が付くが、激しい体力の消耗で罹患してしまう者も多い。



 従業員に自社製品を売りつけたり、ノルマと称して過剰に物品を販売させ、売れ残ったら自分で買い取らせるなどの行為を行っている企業も多く、以前大手コンビニエンスストアやファミリーレストランでアルバイトをしていた学生が、仕方なしに大学内でクリスマスケーキを売り歩いていたことがあった。呉服チェーンに就職した卒業生が、先輩社員から高価な和服を売りつけられ、ローンの支払いに苦しんでいた者もいた。「会社が夢の実現をお手伝いする」などの言葉には要注意である。


 厚生労働省は平成12年8月に労働安全衛生法の中に「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を策定している。学校や職場で心の病に陥った時、だれもが不当な扱いを受けないように法律で守られている。決して泣き寝入りしないように。


仕事でストレスを感じたら、うつ症状に注意し、自分で簡単なストレスチェックをしよう。

・朝起きられない

・仕事や学校に行きたくない

・笑顔がなくなった

・独り言を言うようになった

このような症状が出たら、軽いうつ状態である。職場を変えるか、病院に行くべきである。



うつにならないように気を付けよう

・朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる

・鏡で表情チェック ・ネガティブな言動は慎む

・自分に良い環境をつくる ・自分がいやなことをやらない

・がまんしないで言いたいことは言う

・瞑想などで心身の状態を整える





うつになったら

・頑張らない

・無理しない

・環境を変える

・必ず病院に行く



日本の国家予算と医療費

日本の国家予算       101兆円(2019年度)

           税収          62兆円 



日本の社会保障給付費    115兆円(2018年度)

国民医療費           40兆円

介護保険給付費       10兆円  



平均的日本人の収入と税金

年収   420万円

所得税   92千円

住民税   19万2千円

社会保険料 59万7千円

手取り  332万円

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