2019年12月24日火曜日

管理組織の形態とNPO

かんぽ生命と日本郵便の不正保険販売について、問題点が明らかになった。つまり高齢者をだまして生命保険に加入させたということである。しかも、このような不正な手段で加入させた社員には高額な手当てを出して、儲かればよいという経営を行ってきたということである。
 郵便局ともあろうものが、このような不正な行為を行ってきたということは、郵政民営化の弊害によるものと断定せざるを得ない。そして、この会社の価値観やコンプライアンスと管理の在り方に大きな問題があるということである。

私は企業の目的について何度も話をしてきた。企業の目的は利益を出すことではなく、社会に貢献することである。そして、社会貢献するために利益を出さなくては何もできない。だから企業が利益を出すのは目的ではなく、必要要件なのである。かんぽと日本郵便は利益を出すことを目的にしてしまった結果、このような不正を不正と感じなくなってしまったのだろう。

企業組織には国営、民営、第三セクターという分類があり、民営企業には株式会社、有限会社、個人会社などがある。これらの会社は利益を出さなければ最悪の場合、倒産してしまうことがあるので営利企業という。これとは別に利益を出さなくても良い組織もあり、それはNPOやNGOという非営利組織である。株式会社の悪い点は利益が出ないことには手をだせないということである。そこで、利益を出さなくてもよいNPOやNGOについて注目が集まっている。

特定非営利活動法人(NPO法人)制度とは

特定非営利活動促進法は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、 ボランティア活動をはじめとする市民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進することを目的として、平成10年12月に施行された。
 
特定非営利活動は、以下の20種類の分野に該当する活動であり、不特定かつ多数のものの利益に寄与することを目的とする。つまりNPOは広範な、と言うよりほとんどすべての分野へ進出することができる。



1 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2 社会教育の推進を図る活動
3 まちづくりの推進を図る活動
4 観光の振興を図る活動
5 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7 環境の保全を図る活動
8 災害救援活動
9 地域安全活動
10 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11 国際協力の活動
12 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13 子どもの健全育成を図る活動
14 情報化社会の発展を図る活動
15 科学技術の振興を図る活動
16 経済活動の活性化を図る活動
17 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18 消費者の保護を図る活動
19 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
20 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

NPO法人は、特定非営利活動に必要な資金や運営費に充てるために、特定非営利活動に支障がない限り、 特定非営利活動に係る事業以外の事業(その他の事業)を行うことができる。 この場合、「その他の事業」に関する会計を特定非営利活動に係る会計から区分しなければならない。

▼NPO法人の場合
メリット
設立に費用がかからない
補助金や支援プログラムの種類が多い
税法上の優遇がある


デメリット
設立に時間、人が多く必要になる
役員の親族規定がある
活動内容に制限がある
所轄庁への事業報告や情報公開等の義務があり、活動内容をオープンにしなければならない


▼一般社団法人の場合
メリット
設立にかかる時間、人が少ない
役員の親族規定がない
活動内容の制限がない
活動内容を外部に開示する必要がない

デメリット
設立に費用がかかる
補助金や支援プログラムの種類が少ない
非営利型でなければ税法上の優遇が受けられない

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