2019年6月17日月曜日

マーケティング

    高度経済成長期、日本企業の多くはマーケティングを販売促進と心得て、どのようにして顧客を捕まえ、自社の商品を売り込む方法などが真剣に話し合われた。ターゲットを絞り、その市場に深く食い込むための努力をやっていた。しかし、それは間違えであった。マーケティングは自社の製品をどのようにして販売するではなく、顧客はどのような商品を欲しがっているのか、である。つまりマーケティングについて考える方向が逆だったのである。現在でもマーケティングは、ものを売るための手段と考えている人々が多くいて、どうすれば売れるのかに重点を置いて商品の販売を行っている。それは間違えであって、客は何が欲しいのか、客の欲しいものを取り揃えば、売ろうとしなくても売れてしまうものなのである。つまり究極のマーケティングは、マーケティングを不要なものにしてしまう。
現在、マーケティングの研究ではF.コトラーが著名であるが、アメリカ経営学において重要なのは市場の力であることを念頭に入れて理解しなければならない。コトラーは4PすなわちマーケティングにはProduct(製品) Price(価格) Promotion(広告) Place(流通)の4つが重用であるとしている。

しかしコトラーは、マーケティングによって企業が大きな利益を上げることが企業経営の目的ではないことを踏まえて、マーケティング3.0という概念を構築している。従来のマーケティングでは経営学が求める社会の発展や豊かさを実現することは出来ない。私たちは気候の変動や格差、貧困といった現代社会の諸問題について、その解決のために何ができるかを考える時代になった。そして、SNSの発達によりこうした考え方が拡散され、人々はその解決のための行動を起こすようになった。企業はこのような社会に変化に伴い、人々の行動を支援しなければならなくなった。それは企業が生き残るための重要な要素になっている。SMS時代の買い物は、店舗はショーウィンドで実際の購入はネットで済ます場合が多い。買い物についての新しい変化の中で、企業が生き残るためにはSMSの世界で最先端の話題を造り、注目を集め、人々に支持されなければならない。ネット時代のマーケティングは始まったばかりである。

 

 

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